発表方法について -聞き手に伝わるプレゼンをする-

Institution for a Global Society株式会社 取締役 ビジネス開発部統括部長 中里 忍 氏

「伝えることが明確&分かりやすい!」と思われるための3つのポイント

1. 内容自体の面白さ、正確さ
2. 資料の分かりやすさ
3. 構成と発表態度


1. 内容自体の面白さ、正確さ

 1-1. 取り組む問題や課題に「共感」させる
 ・自分達が扱う問題や課題を皆が興味を持ち、重要性を知っている訳ではないという前提に立つ。
 ・序盤で、聞き手に興味を持ってもらうためのエピソード、象徴的な写真や動画、
  データ等を使って説明し、問題や課題に対する共感を得る。

 1-2. 出典や調査人数や日付などを忘れずに
 ・何かを引用する場合は、著作権への抵触、盗用だと思われないように、必ず出典を記入する。
 ・自分達で調査した場合は、社会調査法のお作法に則り、いつ、誰に(属性・人数)、
  どのように(アンケート・インタビューなど)実施したのかを記述する。

2. 資料の分かりやすさ

 2-1. 1スライドに1メッセージ
 ・1スライドに複数のメッセージを詰め込むと、聞き手が理解できなくなる可能性があるため、
  1つずつ理解してもらうことを意識する。

 2-2.「何を書かないか」を考える
 ・聞き手に理解してもらうために、何を書かないか?を考えることも戦略。
 ・主張に対して補足的な内容は、プレゼンの最後に参考資料としてまとめ、
  質疑応答の際に活用する。

 2-3. スライドは読むものではなく見る資料。1スライドの情報量は少なめに
 ・1スライドあたりの行数は、8行―10行程度。
 ・フォントサイズは18ポイント以上。グラフなどを入れる場合も、文字が小さくならないように。
 ・1スライドあたり余裕をもった説明で、1分程度の情報量。
  プレゼン枚数は、10分間なら10枚程度。

 2-4. 色の使い方を大切に(1スライドに3色程度)
 ・配色に規則性を持たせる。
 ・沢山の色を多用しない。1スライドに3色程度。

3.構成と発表態度

3-1. 発表時間の構成を考える。背景説明はほどほどに
・聞き手が最も興味があるのは、探究を通じて伝えたい「あなたの主張や提案」。
・背景は、発表内容に対する聞き手に対する共通の理解を作るために必要な一方で、
 背景が長いと聞き手は飽きてしまうため、主張の発表に時間をかける。

3-2. 原稿をそのまま読まない
・原稿をそのまま読むと、視線がずっと下にあるために相手に伝わらない。
・原稿の丸暗記を避ける。忘れた時に思い出すことに必死になってしまい、より緊張する。
・自信がない場合は、ポイントだけ書いて時々確認する程度にする。

3-3. 時間を測って練習をする
・聞き手の集中力を保つためにも、規定時間内で発表することが重要。
・早口にならずに、余裕を持った説明で時間内に終える練習をする。

3-4. 聞き手に訴える発表を
・ハキハキと通る声に加え、余裕が出てきたらボディーランゲージ、
 アイコンタクトを行うなども行う。
・映像、音、パワーポイント以外にスキット(寸劇)を織り込むなども効果的。

3-5. 自分(達)の発表は面白い!と自信を持つ
情熱を持った発表で、聞き手を引き込む。
・自分達の発表は、「絶対に価値がある」、「面白い」、と自信を持ち、とにかく発表を楽しむ。